転職活動をしていると、求人サイトやハローワークの求人情報の備考欄に「エクセルの操作ができる人」などと記載されていることが多く見受けられます。
企業が求める「エクセルができる人」とは、どんな人なのでしょうか。
マーケティング調査による「エクセルに自信がある人」
株式会社アイシェアさんが行った「マイクロソフト製品に関する意識調査」によると、マイクロオフィス製品の使用経験者のうち、一番自信があるソフトはエクセルがトップで47%でした。また、最も上達したいソフトの第1位もエクセルで43%です。
エクセルの業務上経験率は高く、プライベートで使う人は、「家計簿」「持ち物リスト」「住所録」などの用途で使っている人が多いようです。また、経験率と比例するかのように、エクセルの上達を目指す人が多いこともわかります。
企業が求めるエクセルレベルとは
では、実際に企業が求めるエクセルレベルとは、どの程度のものなのでしょうか? とある社長さんにお話を伺ったところ、興味深いことが分かりました。
会社ではエクセルを利用するシーンが沢山あります。なぜかというと取り扱いたいデータが多く、状況を把握するために視覚的に理解できるグラフに変換したり、現状の状況を把握するために計算をしたりしたいからです。
毎日の活動を記録して今日の状況がわかるだけでなく、どのような変化があったかなどを知りたいですよね。変化がわかると今後の予測もできるわけです。
会社の中核業務は、なんといってもファイナンスとマーケティング。どちらも現状を把握したり、将来を予測することが主な業務になってきます。ということは、自ずと表を作成して合計などの計算や、これを基にしたグラフの作成する必要があるわけですね。
また、スタッフやお客様の住所録などの作成でも活躍します。さらにエクセルでワークシートなどを作っておけば、みんなの業務も効率化でき、集計も楽ちんです。
つまり、「あの売上ってどうなってるんだっけ?」や「このデータをグラフにできる?」、「みんなが使用する日報のワークシートつくって~」などのお願いにパッと対応できる人のことを、エクセルができる人だと思っています。
お話を聞くと、エクセルができる人のレベルはすごく高いように感じますが…。
そんなことありませんよ。エクセルができる人とは、エクセルでなにができるかを知っている人ってことだと思います。
というと…?
具体的に何ができるというよりエクセルを使いこなせる人ということではないでしょうか?
なるほど…。
エクセルを使う理由は、さっきお話した通りデータを整理したいということにつきると思うんです。つまり、使いこなしている人は2つのことができている人だと思います。
- ある目的を達成するために、エクセルを使って効率的に実行できている
- ある目的を達成するために、エクセルを使って分かりやすくしている
エクセルを使って効率的に実行できる人は、達成したい目的に対しての作業を効率的に実行するため、ショートカットや関数を使用しています。エクセルを使って分かりやすく資料をまとめることができる人は、達成したい目的に対するアウトプットイメージを理解し、いかにデータを「分かりやすい絵」にできるかを意識しています。つまり、エクセルが使える人の多くは、仕事上のどのような場面で使うのか、実現するにはどんな使い方をするのか分かっているんです。
<エクセルを使って効率的に作業ができる人>
エクセルを使って効率的に作業ができる人は、ショートカットキーや関数をよく利用します。と言っても、業務上でよく利用する関数は結構限られているので、そんなに多く覚える必要はないです。関数の利用方法を理解していれば、その都度調べればいいわけですからね。実際、自分で資料を作るときなんかは、分析方法+エクセルで検索をして、その都度調べていますよ。
よく使う関数で言えば
sum
vlookup
if
countif
average
sumif
sumifs
counta
round
dataif
rate
colume
subtotal
あたりじゃないでしょうか?
また、
trim
concentrate
phonetic
trend
forecast
あたりも分かっていると操作が早くなりますよね。つまり、操作を早くし、間違いを減らすために関数を利用するんです。
さらに[Ctrl]+[1](セルの書式設定)、[Ctrl]+[Alt]+[V](形式を選択して貼り付け)、[Alt]+[Shift]+[=](オートSUM)などのショートカットキーを使いこなせると、操作を効率的にできていいですね。
<エクセルを使って分かりやすくできる人>
表で把握したい場合と、グラフで把握したい場合は場合によって異なります。
一般的に言えば、グラフを使って視覚的に表した方が見やすいですよね。例えば、広告の効果を知りたいとなったときに、表で出されてもピンときません。でも、グラフでA広告は何人集客できたとか、B広告は他の広告より効果が低かったと示されれば、注力すべきこと、改善すべきことが一目で知ることができて便利です。
一方で、データの抽出や集計を行うなら、表の方が便利です。企業が活動していれば、複数の商品を、それなりに多くの人数で販売することになります。それをエクセルデータにすると、データの塊ができるわけですね。その中から特定の商品を誰が何個売ったのかを知りたいときは、関数を使ってデータの塊から抽出するので、表を使う必要があります。
他にも資金繰り表なんかは、表じゃないと作れないですし、詳細な数字を知りたいときも表を使います。
こんな感じで、状況によって表とグラフ、どっちを使うか判断できると分かりやすくできます。
最後に
「エクセルができる」と言っても、スキルのレベルよりもエクセルで何をできるか分かっている方が大事ということがわかりました。その土台として、企業でよく使うエクセルの関数や、効率的に作業を進められるショートカットキーを覚える必要があります。
一般的に求められているスキルを認識し、それを証明する資格を保有しておくと、今後の求職活動を有利に進められるでしょう。