営業事務を行う上で重要になってくるのが、データ分析の技術。売上の分析や今後の予測を立てるためには、データ分析が必要不可欠です。そうしたとき、エクセルはデータを整理し、関数によるデータ処理もこなせるため、非常に便利なツールといえます。さらに、エクセル内にある「ピボットテーブル」は、数字を個別に分ける詳細機能を持っているため、分析の正確さ向上に役立ちます。しかし、ピボットテーブルに対して苦手意識を持つ人が多いのも事実です。このシリーズでは、あなたの分析力を高めてくれるピボットテーブル活用法をご紹介します。
利便性が高い「ピボットテーブル」の存在感
ピボットテーブルとは、エクセル上で表を作成したときに、そこでは掲載されない細かい情報を反映してくれる役割を果たす機能です。たとえば、図1のように単に羅列された売上管理表を分析材料として活用するには要点が分かりにくく、何が売上に貢献したのか、どこを改善すればよいのか分かりづらいでしょう。
【図1】
そこでいよいよピボットテーブルの出番になるのですが、こちらは立体的で、なおかつ“見やすい”という特徴を持っています。表自体が整理されていることはもちろん、「合計」や「比較」などの情報量が増えたことで、より分析のしやすいデータへと進化しています。この分かりやすさ=利便性こそが、ピボットテーブルの最大であり最強のメリットといえます。
【図2】
ピボットテーブルは簡単に作れる
ピボットテーブルというと難しそうに感じますが、実は簡単に作れます。グラフをつくる場合は、先ほどの平面的な表で対象の範囲をマウスで囲み、図3のように挿入タブの中央部分にある「ピボットグラフ」をクリックすれば完了です。その際に配置する場所は、同じシート内にするか、新規シートにするかの選択ができます。最初のうちは、分かりやすくて見やすいので、新規シートを選ぶことをオススメします。
【図3】
分析で求められることは、目標に対する評価および対策です。例えば、目標より売上金額の合計が下回っていることがひと目でわかれば、すぐに問題へたどり着けます。
【図4】
その上で図4を見てみると、売上金額の目標100,000円に対し、カレーパンとピザパンだけで半数以上の売り上げを出していることがわかります。そのため、それら2つは、売上金額への貢献度が非常に高い商品という評価ができます。
また、商品販売数の合計を分析することで、「どの商品に力を入れればよいか」という対策にもつながります。図3の中で「数量」に注目すると、目標まではあと370個ですが、「ミルクパン」と「究極のメロンパン」の商品販売数が極端に少ないことがわかります。反対に「カレーパン」と「ピザパン」は人気があり、売れ行きは好調です。
このことから、例えば「カレーパンとセットで売れる商品を置く」という案が考えられます。あるいは、「ミルクパン」「メロンパン」といった具の入っていないパンが不人気ということから、「カレーパンやピザパンに並ぶ、新しい総菜パンを開発する」といった施策を打ち出すことも可能でしょう。
最後に
分析力を高めれば、物事に対する評価ができるようになり、的確な判断を素早く行えます。目標と現時点での差異を知れば、改善をするにはどうすればいいのか、仮説を立てながら物事を考えられるので、対策を考える力を身に付けることにもつながるでしょう。また、複合的なデータを処理できるようになれば、今までより踏み込んだ分析も可能になります。
高い分析力を身につけることは、ステップアップの第一歩。ピボットテーブルを活用した分析を学び、正しい分析と、正しい仮説を立てられるスキルを身につけましょう!