Excelファイルを使う際、その時々に合わせて表示シートを切り替えたり、フィルターの設定を適用したりすることがありますが、せっかく自分の好みの状態に設定してファイルを保存しても、次に別の設定をすると前の設定は失われてしまいます。
しかし、そうした表示や設定のパターンを登録することが出来て、ケースに合わせて簡単に呼び出せるとしたら大変便利ですね。
じつは、それを叶えてくれるのが「ユーザー設定のビュー」という機能。
ヘッダーや印刷範囲といったページ設定、行や列の表示/非表示、ウィンドウやフィルター設定など、独自で設定した表示状態を登録しておくことで、使いたい状態を必要な時にいつでも簡単に呼び出すことができる機能です。
使いたい設定パターンを「ビュー」として名前を付けて複数登録できるようになっており、登録した表示を呼び出すことによって、元の状態を簡単に復元させることができるのです。
【設定1】名前:既定
● すべてのデータが表示された基本の状態
【設定2】名前:会員名簿印刷用
● 印刷する際に不要な情報を非表示にする
● A4用紙を縦、配置を左右中央にして印刷設定する
【設定3】名前:同窓会参加者
● 印刷に不要な列を非表示にした状態(設定2)
● 同窓会出席者だけをオートフィルターで抽出
● A4用紙を縦、用紙の左右中央に印刷、縦1ページに収まるように縮小設定
例えば以上のような設定で行う作業があった場合に、それぞれのパターンを作業の度に設定し直していたら、手間だけでなく時間もかかりますね。
では、例に挙げた上記の設定で、実際に登録をしてみましょう。
ビューの追加
【設定1】から登録していきます。
操作手順として、まず登録する前に設定したい表示状態を作ります。
すべての項目を表示した基本の状態にしたら、[表示]タブ→[ブックの表示]グループ→ [ユーザー設定のビュー]ボタンをクリックします。
ダイアログボックスの[追加]ボタンをクリックし、[名前]欄に名前を入力して「OK」ボタンをクリックします。
【設定1】が「既定」という名前で新しく登録されました。
次は【設定2】の登録です。
やはり登録する前に【設定2】の状態にします。印刷に不要な列を非表示にし、用紙の左右中央に印刷されるようにページ設定をします。
【設定2】の状態を作ったら、先程と同じように【ユーザー設定のビュー】の【追加】ボタンを使って現在の状態を登録しておきます。
最後に【設定3】の登録です。フィルターの設定を登録してみましょう。
これまでと同様、登録する前に【設定3】の状態を作ります。
【設定2】の状態にフィルターをかけて同窓会参加が「○」のデータを抽出し、その表示を【追加】ボタンを使って登録します。
ビューの切り替え
すべての登録を終えたら、あとはその時々の作業に合わせて「ビュー」を切り替えます。
登録した設定の名前の一覧がダイアログボックスに表示されるので、その中から必要なものを選択し、[表示]ボタンをクリックすれば、瞬時に使いたい状態を呼び出すことができます。
ユーザー設定のビューではこの他にも、画面の拡大・縮小表示(ズーム)、ウィンドウ枠固定などの表示設定も登録できます。
定期的に行う作業でファイルを開く度に設定し直すのは面倒ですし、設定を変えながら作業する場合にも、この機能を活用するととても便利です。
ちなみに、表示や印刷などの様々な設定をする前の基本状態を登録しておくというのは、案外役に立ちます。別パターンを作る際のベースとして活用できるので、ぜひ登録しておくことをお勧めいたします!